ギターアンプの違いは回路と形と出力で決まる!初心者の選び方

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「真空管」「トランジスタ」「コンボ」「50W」。ギターアンプの商品ページを見ても、どの言葉が何を指すのか分からず、そこで止まっていませんか。ギターアンプの違いは、音を大きくする回路、本体の形、出力の3つに分ければ整理できます。この3つに、自宅かスタジオかライブかという使う場所を足せば、買う種類は自然に絞れます。

ギターアンプの違いは「回路」「形」「出力」の3つで決まる

ギターアンプは、どの機種も中身は同じ3段でできています。ギターの小さい信号を受けて音色を作るプリアンプ、その信号を大きくするパワーアンプ、そして音を出すスピーカーです。

機種ごとの違いは、この3段のどこがどう作られているかの違いです。回路の種類で音の性格が、本体の形で置き場所と持ち運びが、出力で使える場所が決まります。

商品ページを見るときは、次の3つの言葉を探してください。

見る場所 書かれている言葉 何が変わるか
回路 真空管、トランジスタ、モデリング 音の性格、重さ、値段
コンボ、スタック、ヘッド、キャビネット 置き場所、持ち運び
出力 10W、30W、50W、100W 使える場所、音量の余裕

アンプはギターと組み合わせて1つの楽器と考える人が多いです。同じギターでもアンプを替えると別の音になるので、ギター選びと同じくらい時間をかける価値があります。

真空管とトランジスタ、モデリングの音の違いは?

BOSS KATANA-50 GEN 3 ギターアンプ コンボ

回路の違いは、音の性格の違いにそのまま出ます。真空管は音量で音が変わる、トランジスタは音量を変えても音が変わらない、モデリングは両方の音を切り替えられる、と覚えてください。

真空管アンプは音量を上げるほど歪む

真空管アンプは、1930年代から使われている一番古い方式です。ガラス管の中で信号を大きくするため、音量を上げていくと自然に歪みが出て、太くて柔らかい音になります。

この歪みは、音量を上げないと出ません。自宅で夜に小さい音で弾くと、真空管らしい音にはならないんです。スタジオやライブハウスで大きい音を出せる人ほど、真空管の良さが分かります。

弱点は3つあります。重い、値段が高い、真空管を数年ごとに交換する必要がある、の3つです。スタジオの定番であるMarshallのJCM2000は真空管アンプなので、スタジオで触る機会は多いです。

真空管アンプは電源の順番が決まっています。つまみを0にして、POWERを入れて1分から2分待ち、そのあとSTANDBYを入れます。切るときはSTANDBYを先に切り、少し待ってからPOWERを切ります。冷えたまま音を出すと真空管の寿命が縮みます。

トランジスタアンプは小さい音でも音が変わらない

トランジスタアンプは、半導体で信号を大きくする方式です。音量を上げても下げても音の性格が変わらず、入ってきた音をそのまま大きくします。硬めではっきりした音になります。

軽くて壊れにくく、値段も安いので、初心者用の小型アンプはほとんどがこの方式です。スタジオに必ず置いてあるRolandのJC-120もトランジスタアンプで、澄んだクリーンの音が出ます。

歪んだ音を出したいときは、アンプのゲインを上げるか、エフェクターを足します。真空管のような太い歪みは出にくいので、ロックの歪みを目指す人はここで物足りなさを感じます。

モデリングアンプは1台で何種類もの音が出る

モデリングアンプは、トランジスタアンプの中にデジタルの回路を入れて、有名な真空管アンプの音を再現する方式です。つまみやボタン1つで、MarshallふうやFenderふうの音に切り替えられます。

ヘッドホン端子、USB端子、Bluetoothが付いている機種が多く、夜に音を出せない部屋でも練習できます。BOSSのKATANAやYAMAHAのTHRがこの方式で、自宅用として一番売れている種類です。

弱点は、音の種類が多すぎて最初はどれを使えばいいか迷うことです。買ったらまず、クリーンと歪みの2つだけを決めて、他は触らないほうが早く慣れます。

コンボとスタックの違いは?

Marshall MG10 GOLD ギターアンプ コンボ

形の違いは、アンプ部分とスピーカーが1つの箱に入っているか、別々かの違いです。初めての1台はコンボです。スタックは、ライブ会場で大音量が要る人だけが選びます。

コンボは1台で完結する

コンボは、プリアンプ、パワーアンプ、スピーカーが1つの箱に入った形です。シールドを差して電源を入れれば音が出ます。

自宅用の小型から、ライブハウスで使える50Wクラスまで、大きさの幅が広いのがコンボです。FenderのTwin ReverbもRolandのJC-120もコンボなので、プロも普通に使っています。

持ち運ぶときも1台で済みます。車が無くても、10W前後の小型なら電車で運べる重さです。

スタックはヘッドとキャビネットを別に選ぶ

スタックは、アンプ部分だけの「ヘッド」と、スピーカーだけの「キャビネット」を積み重ねた形です。ライブ会場の後ろに積んである大きな黒い箱がこれです。

ヘッドとキャビネットを別々に選べるので、音の組み合わせを自分で決められます。大音量が出せる代わりに、重くて場所を取り、値段も2つ分かかります。

自宅にスタックを置いても、音量を上げられないので良さが出ません。ライブハウスやスタジオには備え付けがあるので、買う必要も基本はありません。

デスクトップアンプは机に置ける小型のコンボ

コンボの中でも、机の上に置ける大きさのものはデスクトップアンプと呼ばれます。YAMAHAのTHRシリーズが代表で、幅は30cm台、重さは3kg前後です。

ヘッドホン端子とUSB端子が付いていて、PCにつないで録音もできます。部屋で音を出せない人は、この形から入るのが現実的です。

ワット数の違いは音量の差ではなく余裕の差

YAMAHA THR10II デスクトップ ギターアンプ

出力はW(ワット)で書かれています。数字が大きいほど大きい音が出せますが、10倍のワット数で10倍の音量になるわけではありません。100Wと10Wを並べると、聞こえる音量の差は2倍程度です。

自宅練習なら10W以下、バンドで合わせるなら30W以上、ドラムと並ぶなら50W以上が目安です。

ワット数は「どこまで音量つまみを上げても音が崩れないか」の余裕だと考えてください。自宅で50Wのアンプを買うと、音量つまみを2まで上げただけで近所に響きます。つまみを上げられないので、真空管アンプなら歪みも作れません。

逆に、10Wのアンプをバンドのスタジオ練習に持ち込むと、ドラムの音に負けて自分の音が聞こえません。使う場所に合わせてワット数を決めるのが先で、音の好みはそのあとです。

もう1つ覚えておきたいのは、真空管アンプは同じワット数でもトランジスタアンプより大きく聞こえることです。真空管の15Wは、トランジスタの30W前後と同じくらいの感覚で使えます。

最近のモデリングアンプには、出力を0.5Wや1Wに落とせるパワーコントロールが付いた機種があります。50Wの機種でも夜に小さい音で使えるので、自宅とスタジオの両方で使いたい人はこの機能があるかを見てください。

スピーカーの大きさで低音の出方が変わる

アンプの商品ページで見落とされやすいのが、スピーカーの直径です。ワット数と同じくらい、音の太さに影響します。

スタジオの定番アンプは12インチ、自宅用の小型は8インチ前後で、この差がそのまま低音の量の差になります。

12インチは約30cmで、JC-120は12インチを2発積んでいます。8インチは約20cmで、10W前後の小型コンボはこの大きさが多いです。直径が小さいほど低音が薄くなり、同じ設定でも軽い音に聞こえます。

ただし、自宅で小さい音で弾くなら、8インチでも困りません。低音が物足りないときは、ヘッドホンをつなげば小型でも太い音で聞けます。

スピーカーの直径は、商品名の数字とは別のところに書かれています。「12インチスピーカー」「8インチ」のように仕様欄で確かめてください。

ベースアンプやオーディオアンプと何が違うか

アンプなら何でもいいのでは、と思う人もいるはずです。ギターアンプは音を作るためのアンプ、オーディオアンプは音をそのまま大きくするためのアンプで、目的が違います。

ベースアンプは、ベースの低い音を出すためにスピーカーと回路が作られています。エレキギターをつないでも壊れませんが、高音が出にくく、ギターらしい歪みも作れません。

反対に、ギターアンプにベースをつなぐのは避けてください。ギター用のスピーカーはベースの低音に耐えられず、特に小型のアンプではスピーカーを傷めることがあります。

オーディオアンプやPCのスピーカーは、入ってきた音を変えずに大きくする作りです。エレキギターを直接つないでも音は小さく、歪ませることもできません。オーディオ機器で鳴らしたいときは、間にモデリングアンプかエフェクターを入れて、そこからライン出力でつなぎます。

自宅、スタジオ、ライブで選ぶアンプの種類

ここまでの違いを、使う場所ごとに当てはめます。自宅は10W前後のモデリングのコンボ、スタジオは備え付けの定番を使う、ライブは会場のアンプを借りるのが基本です。

自宅で練習する人は、ヘッドホン端子の付いた10W前後のモデリングのコンボが向いています。夜はヘッドホン、昼は小さい音でスピーカーと使い分けられ、値段も抑えられます。

スタジオでバンド練習する人は、アンプを買う前に、備え付けのJC-120とMarshallの使い方を覚えてください。この2台はほぼすべてのスタジオとライブハウスにあるので、使えるようになれば自分のアンプを運ぶ必要がありません。

ライブに出る人も、最初は会場のアンプを借りるのが普通です。自分の音を持ち込みたくなってから、30Wから50Wのコンボを考えれば遅くありません。

  • 自宅だけで弾くなら、ヘッドホン端子付きの10W前後のモデリングコンボ
  • スタジオで合わせるなら、まずJC-120とMarshallの使い方を覚える
  • ライブに出るなら、会場のアンプを借りて、必要になってから30W以上のコンボ

迷ったら、使う場所を先に決めて、そこで出せる音量に合うワット数を選び、最後に真空管かモデリングかを決めます。この順番なら、買ってから音量を上げられずに困ることはありません。

この記事のアドバイザー
電山タケル
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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